文学部 一般入試

川辺

文学部1年 川辺旺慧

 

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慶應義塾大学体育会卓球部所属、文学部1年の川辺旺慧です。私の合格体験記を閲覧して下さり、ありがとうございます。こちらでは私の受験理由、そして文学部やその他学部の対策についてお話しいたします。皆様に多くを還元出来ますよう努めたつもりですので、受験をお考えの皆様は気を引き締めつつ、楽しんでお読み頂けると幸いです。

1, 受験することを決めた理由

私が慶應義塾大学文学部を受験することにした理由は主に2つあります。
1つ目は豊富な研究領域の存在です。文学部の特徴は2年次において専攻を選べるという点にあります。高校時代、私は希望する職種や業界というのはありましたが、大学で何を学びたいのか、学ぶべきなのか決めることが出来ませんでした。かといって、専攻の決まった大学、学部に進学し、選択肢を狭めるというのは後悔を生んでしまうのではないかと考えていました。そこに文学部という存在はかなりマッチしていました。そのような経緯で私は第一志望を慶應義塾大学文学部に定めました。
2つ目は体育会卓球部の存在です。私の高校時代は決して誇れるような成績を残した訳でもなければ、出身高校が強豪校であったわけでもありません。このような環境に甘んじて、自力で努力し切れなかった自分の中に後悔があり、大学では経験したことの無い場所に飛び込もうと考え、慶應義塾大学に進学を考える一因となりました。

2, 受験方式、対策について

まず、文学部の受験形態は英(150点)、国(100点)、社(100点)の3科目型(350点満点)になります。所謂私立文系といわれる受験型です。慶應全体の特徴として小論文という形式が取り入れられていることからも分かるとおり、書かせる問題がかなり多いです。文学部も類に漏れず、記号問題は毎年片手で収まる程しかありません。選択問題では測れない正確な知識や読解を求めてきますので、日々の勉強において一問、一単語にこだわることが重要です。ここから教科別にその特徴と対策をお話ししていきます。

〈英語〉
文学部英語は前述の通り、150点という大きな配点を占めています。最大の特徴は辞書の持ち込みが可能であるという点です。和英、英和、英英の中から2つを選択して持ち込みできます。文学部英語は一つの文章を読み解いていくのですが、分からない単語、語法は調べることができ、英作文で使える言い回しも和英で抑えることができます。但し、その分単語レベルはかなり高いです。それら全てに辞書を使っていては全くと言って良い程時間が足りません。120分という試験時間はあっという間になくなります。一定の単語レベル(準一級前後)が一つの壁になると考えて下さい。
次に受験生の壁になるのは問題の質とその形式です。例年、多く出題されるのが和訳と内容説明の問題です。全体の問題量は10題前後でそれ程多いというわけではありません。

そのうちの7割は和訳と日本語での内容説明問題になります。一つ一つの文字数は多いもので100字程度でそこまで多くはありませんが、一問に悩んでいると多くの問題に手を付けられずに終わります。私は4月頃から毎日長文を読み始め自身で丁寧に精読していました。普段から長文に多く取り組むことを強く勧めます。本番で一問の和訳に拘らずに解答するために、普段の勉強の和訳や内容説明に拘って下さい。

おそらく、初めのうちは過去問に取り組んでも、文章も読めなければ、辞書を引いてもかなり時間がかかり、全て読み切るというのは不可能です。どれくらいの時間配分で文を読み終わり、どれくらい辞書を使える猶予があるのか。それを自分で見つけ出して下さい。そのためには数をこなす必要があります。ですので、2.3年程度、過去問を解いたところで傾向も対策も分かりません。基本的には必要な教材はよくある長文の参考書や文法書、単語帳で事足ります。よく言われることですが、それら一つ一つを完璧にするということが文学部合格の鍵になります。

〈小論文〉
小論文は例年、要約と問題文に類似した抽象的なテーマについての自身の意見文の2つが求められます。
要約についてはかなり早めに仕上げて下さい。文字数は意見文と大差ないのですが、要約に関しては文章を読み、どこを切り取るかを決めて文字におこすという作業なので、なるべく思考力の問われる意見文に時間を残してください。大抵は筆者の考えている点を事前にピックアップして切り貼りしていくと丁度良いか少しオーバーすると思います。具体例を入れる余裕はそこまでは無いと思います。慣れればかなり早く解けるようになるので、何度も繰り返し解いてください。
意見文に関しては抽象度の高いテーマをどう扱うかが重要です。2021年度では「答えのない問題を解く」、2020年度では「集団に属する」といったテーマについて文章も踏まえつつ自身の言葉で答えを作る必要があります。これらに対する正解はありません。そのような問に日頃から慧眼を持って接する必要があります。つまりは受験とは関係のない予備知識が重要だと言うことです。さらに文章に説得力を持たせるために具体例も必須です。こちらも自身で思いつくことのできるような見識が問われています。
前述した意見文に必要な要素というのは中々日々の受験勉強では身に付きません。そこで私は添削して頂いた先生方の解答例や文献を参考に造詣を深めました。この経験から私は10代の持つ知識というのは学問的な知識がほとんどであると実感しました。人生の先輩方は私達の知らないたくさんの知恵や考え方、生きる術を持っています。話が逸れましたがそのような先生方に何度も添削して頂いたことで、意見を参考にし、受験で応用し、抽象的な問題に対して自分の答えを出す力をつけました。要約も同様です。赤本の答えと自身を比較するだけでは足りません。

何度も過去問を解くのも勿論良い対策と言えます。ただ、第三者の目から厳しく添削して頂き、もう一度頂いたヒントを元に解き直すことを勧めます。考えを新たに2作目も書いてみることも良いと思います。なんにせよ、小論文は周りを頼ることが最も大切です。様々な所から取り込んだものを形にして自信を持って採点官に叩きつけて下さい。

〈世界史〉
私は世界史を選択しましたので、そちらについてお話しします。世界史は選択問題はありません。ここが大きな特徴です。かといって史実を説明させるような長文問題は一切ありません。語句の穴埋め問題50問です。ごくごくシンプルな問題しかありません。年号もいくつか聞かれます。大問が4つあり、テーマごとで分かれた文章が大問一つにつき1文、その中に単語を埋める穴が10〜15個ずつあります。シンプル故に、知識量勝負になります。ただし与えられた文章を注意深く読んで下さい。穴の近くには確かに答えに関係するワードが多くあるはずです。それ以外に全体を読むことでその文が何時頃の話なのか、どこの地域についてなのか、ということを把握してください。また、文中の重要史実や重要単語に印を付けておくと解答とリンクすることがあるのでおすすめです。

3, 終わりに
慶應義塾大学は素晴らしいところです。卓球は毎日のように出来るし、日々が学びにあふれている(?)し、ワクチンは打てるし、、、、まだそれくらいしか大学の良さが分かっておりません!!このご時世ですが、皆様が合格する頃にはこのコロナ禍も(たぶん)開けていることでしょう。来年は一緒に大学生活を楽しみ、そして体育会で苦楽を共にしましょう!!部員一同心待ちにしております。ここまで長らくお読み頂きありがとうございました。これが皆様の受験勉強の一助となっていたら幸いです。